日別アーカイブ: 2011年7月1日

メキシコで名古屋のプライドを賭ける! by吉田

メキシコシティのとある宿。
僕は大きな鍋に
大量の野菜と鶏肉を煮込んでいました。
市場で2羽分の丸鶏を買ってきて解体し
鶏がらを何時間も煮込んでから
炒めた野菜を放り込みます。
甘味を出すために
りんごとバナナも細かく刻んで加えます。
いくつかのスパイスと
ガラムマサラを入れると
美味しそうな香りが立ち込めました。
メキシコ1
そう
カレーを作っているのです。
それも15人分。
事の発端は、前日の夜。
僕が泊まっていたのは
日本人の多く滞在する有名な安宿で
宿のリビングでは毎晩宿泊者が集まって
コロナやテキーラを飲みながら
世間話をしたり、今後の旅の予定を考えたり
今まで旅した場所の情報を
お互いに交換し合ったりしていました。
ガイドブックには載っていない
生の情報はとても貴重なのです。
僕も定期的に
こういう宿に泊まって情報を集め
旅のプランを立てていました。
流れが日本の地元の食べ物の話になると
無類の味噌好きである僕は
赤ダシと味噌カツの素晴らしさについて
雄弁に語りだします。
しかし日本各地から集まった
旅人たちの反応はひどいものでした。
「赤味噌は辛すぎて無理」
「トンカツにはソースだろ」
「名古屋人の味覚は異常だ」
ここまで否定されては
僕も黙っていられません!
名古屋人だって
美味しいものを作れる。
僕がそれを証明してやろうじゃないか!
こうして僕は
買出しから丸一日掛けて
宿の全員分の夕食を作ることになったのです。
かといって
当時まだ料理の仕事をしていたわけではないので
作れる物も限られます。
とりあえずカレーを作ることになったのですが
ルゥが市販されているわけもなく
顆粒コンソメも売っていないので
鶏がらからダシを取り
スパイスを混ぜて
小麦粉とバターでルゥを作り
四苦八苦しながら
どうにか鍋一杯のカレーを完成させました。
メキシコ2
結果は大好評!
こうして全名古屋代表として
名古屋人の味覚は壊れていないことを
遠い異国メキシコで
無事証明することができたのでした。
メキシコ3
それでも
「味噌カツこそ日本が誇る至高の料理」
という僕の主張までは
認めてもらえませんでした・・・
次に旅するときは
献立いろいろ味噌を持参しようと思います!
というわけで
そんな思い出深いメキシコにて
毎日食べていたタコス。
その具材にも使われている
挽肉入りピリ辛ソース
「サルサ・メヒカーナ」を使った
冷製パスタが今月のオススメ各国メニューです。
暑い日が続く今日この頃
さっぱり爽やかなコロナビールと一緒にいかがですか?